実はあまり知られていませんが、ゴールデンレトリバーには2つの血統が存在します。
ゴールデンレトリーバーにはイギリスが原産の犬種ですので、どんどんたどっていけば当然イギリスにたどり着きますが、時代と共に他の国にわたったことからゴールデンレトリバーに違いが出てくるようになりました。
1890年代にアメリカに渡ったゴールデンレトリバーはその後、アメリカ人の好みに合わせて品種改良が重ねられました。
その結果、イギリス系とアメリカ系として分ける必要があるほど、見た目や性格が異なる犬種となっていきました。
そのため別々の血統として区別するために
- イギリス系
- アメリカ系
と分けることができます。
そのため、
- イングリッシュゴールデンレトリバー
(イギリス系) - アメリカンゴールデンレトリバー
と呼ばれています。
イギリス系
ゴールデンレトリーバーの基礎となっているニューファンドランドの影響から、体は筋肉質で骨太なので、ずんぐりとしています。
被毛は毛足が短めで硬く、緩いウェーブがかかっており、瞳や鼻の色が黒色です。
イギリス系は淡いゴールドが良いとされ、クリーム色ともいえるかもしれません。
中にほとんど白に近いプラチナ・ゴールドという被毛も存在します。
耳の位置がやや低めで、鼻口部(マズル)も少し短めです。
性格
イギリス系は全体的におだやかで、大人しい印象です。
そのため優雅な印象を感じさせます。
活発で無邪気な一面も持ち合わせており、家族を楽しませてくれます。
非常に知性が高く、人間に合わせるのが上手いところがあり、飼い主さんのいうことを良く聞くし、無駄吠えも少ないので家庭犬として向いた性格をしています。
本来、狩猟に行った際に泳いで水鳥を回収するガン・ドッグとして活躍していたことから、水難救助犬として多くの犬が活躍しています。
嗅覚が鋭いため麻薬探知犬としても採用されます。
アメリカ系
被毛はクリーム~ブラウンに近い色まで幅広くあり、毛質はストレートでボリュームがあり、柔らかく滑らかな触感です。
目の色は茶色で、鼻の色は成長と共に黒から濃い目の茶色になっていきます。
体格はややスリムで、スタイリッシュです。
アメリカ系はイギリスからやってきたゴールデンレトリーバーに、アメリカで様々な犬種を掛け合わせて誕生しました。
そのため、イギリス系とは異なった性格や見た目になったため、アメリカンゴールデンレトリーバーとして分けられるようになりました。
性格
穏やかなで優しい性格を持ちながらも、明るく活発で好奇心旺盛なため、テンションが高めといえるかもしれません。
作業欲求を強く持っているため、人の役に立ちたい、一緒に作業したいという気持ちを秘めています。
その欲求と合致するため、盲導犬や聴導犬、セラピードッグのような人と関わって助ける活動をしています。
まとめ
イギリス系とアメリカ系に優劣はありません。
どちらにもそれぞれの特徴があり、ゴールデンレトリーバーらしい特性も持ち合わせた犬種です。
人と一緒に暮らせる優秀な家庭犬です。
子供のころからきちんとしつけをしておくことが、いたずら好きのゴールデンレトリーバーと暮らすためのコツになってくるでしょう。
被毛のお手入れに関して言えば、イギリス系は短いため家庭で飼うならトリミングは絶対に必要というわけではないようです。
日本で多く見られる
日本で見かけるゴールデンレトリーバーのほとんどはアメリカ系です。
1984年に日本のジャパンケンネルクラブでアメリカンゴールデンレトリーバーが優勝したことをきっかけに広まりました。
そのため、アメリカから多く輸入された影響で、日本で見られるほとんどはアメリカ系なのです。
イギリス系は純血種を守る傾向から、ペットショップに流通することはほとんどないと言われています。
飼いたい場合には、ブリーダーを見つけるところから始めなければなりません。
また、価格もイギリス系の方が倍以上高くなっています。