主な腰痛の要因も人間の場合とさほど違いはありませんが、犬の場合は痛みを隠す本能から症状に私たちが気づいていない可能性があります。
なにが原因となっているのか?予防する方法なんかも知っておいた方がお互い幸せじゃないかな。
腰痛の主な要因
- 寒さによる神経痛
- 老化による節々の痛み
- 慢性疾患やケガなどをかばって腰に負担がかかっている
- 椎間板ヘルニア
こういったものが考えられます。
神経痛
寒くなると血行が悪くなり神経痛がよく見られます。
神経痛は触るとキャンっと鳴いたり、触られるのを嫌がったり唐突に痛がったりします。
暖かく過ごせるように毛布をあげたり、暖かい食事で内側から温まるように工夫するなどで予防することが可能です。
高齢によるもの
腰だけではなく、身体のさまざまなところで痛みが出たりします。
人間も年を取ると節々が痛くなりますが、これは老化によって関節の軟骨がすり減ってしまったり、関節自体が変形して痛みが起こったりするものです。
他にも筋肉のこわばりなど、いろいろな老化現象が複合的に起こり痛みになります
適度な運動と栄養管理によってできるだけ維持することが大切です。
かばうことによる負担
足を引きずったり、片足をあげて歩くなど歩き方がおかしい場合、何らかの痛みによって足をあげたりしています。
原因は外傷や関節炎、遺伝性疾患や腫瘍など様々ですが、かばうことによって他の部分に負担がかかってしまうことがあります。
そのため腰痛になる場合もあります。
椎間板ヘルニア
私たち人間の腰痛で代表的な原因としては椎間板ヘルニアじゃないでしょうか?
意外なことに犬も同じように椎間板ヘルニアで腰痛に悩まされます。
痛みが伴うため非常に可哀そうですが、彼らが自ら予防策を取ることはできません。
私たち飼い主が対策を行う必要があります。
まずは、椎間板ヘルニアについて知りましょう。
椎間板ヘルニアってナニ?
椎間板は背骨の間にあるシリコンジェルのようなもので、弾力がありある程度硬いので背骨ひとつひとつの隙間でクッションの役割をしています。
椎間板ヘルニアとはこのクッション材である椎間板がつぶれて神経の束である脊髄に触れるため、痛みやしびれなどの異常が生じる病気です。
人間でも多くの人が悩む疾患です。
重症化すると
歩行は困難になり、尿意や便意を感じなくなるので垂れ流しの状態になります。
さらにひどくなると下半身の神経のマヒにより痛みや感覚がなくなってしまいます。
椎間板の飛び出し具合によって対処は異なり、薬によって炎症を抑えたり、外科手術によって余分な部分を切除する必要がある場合など症状の重さによって処置は異なります。
痛みがなくなり下半身がマヒしている場合、手術を行っても回復の可能性は低くなっています。
ヘルニアや腰痛の原因
原因としては防ぎようのないモノや飼い主さん次第で何とかなるものがあります。
運動不足
犬は四足歩行なので背骨が水平にあるわけですが、背骨を支えているのは筋肉です。
運動をしないで筋力が低下すれば負担はそのまま背骨にかかってしまいます。
日ごろから運動をさせて十分に筋肉をつけておくことが大切です。
体の特徴
胴長短足の体形が特徴である犬の場合、他の犬よりも重力によって胴体の真ん中に負担がかかります。
そのため運動不足や老化などによって筋力が低下すると、他の犬よりも椎間板ヘルニアになりやすい宿命を背負っています。
ヘルニアになりやすい犬種が運動不足になると、椎間板が早期に変性してしまうため、4~6歳くらいで発症しやすくなります。
遺伝的な原因
遺伝的に「軟骨異栄養性犬種」と呼ばれる若い頃に軟骨の変性を起こしやすい犬種がいます。
- ミニチュア・ダックスフンド
- ウェルシュ・コーギー
- ビーグル
- シー・ズー
- パグ系
- コッカースパニエル
- ペキニーズ
こういった犬種は椎間板が飛び出しやすいのでヘルニアのリスクが高い犬種です。
2歳くらいから変性がはじまり、3~6歳までの間に初期症状が見られる傾向が多いようです。
肥満
体重が増えすぎることによって背骨にも負担が増えます。
肥満になるということは運動不足でもあるので、筋力が低下しているうえに太って負荷が増えているといえます。
肥満は万病の元なので、ヘルニアだけではなく糖尿病や心臓病などいろいろな病気のリスクが何倍にもなる状態です。
負担のかかる動き
高いところから飛び降りたり、いっぱいジャンプしたりすると膝や関節で衝撃を吸収しきれない分は背骨へのダメージにつながります。
階段の上り下りやソファーから飛び降りたり、日常に小さな負担が存在しますが日々積み重なることでダメージとなります。
二本足で立たせない方がいい
犬は直立して立つような骨格の作りではないので、二本足で立たせるのはあまり良くありません。
そのままジャンプも負担が大きいのでやめるさせるようにしましょう。
競技はけっこうキツイ
ディスクキャッチや競技はダッシュしたり、急に止まったりジャンプしたりとかなり大きな負荷がかかります。
犬は豊富な体力と強靭な肉体を持ちますが、身体に負担がかかっていないわけではありません。
特に向いていない犬種が行うのは良くありません。
リラックスしている状態から急に動く
人間もギックリ腰になりますが、同じようなものと考えてください。
寝ているときやゆっくりと過ごしているときは脱力状態ですが、来客やチャイムがあるとびっくりして急に起き上がるときなどにやってしまいます。
興奮しやすい犬や吠え癖がある犬は注意が必要です。
滑りやすい床
人間が過ごしやすいフローリングは犬の足だとすごく滑ります。
踏ん張りますが、関節への負担は非常に大きいですし、転んでしまったりひねったりといったダメージが考えられます。
カーペットを敷いたり滑り止め加工を施すなど対策を取りましょう。
首輪とハーネス
犬は首輪が付いていますが、お散歩のときなど強く引く場合もあるんじゃないでしょうか?
急に走り出しそうになったり、他の犬と出会ったり、引っ張り癖があるなど首を後ろに引っ張られるので当然背骨にも負担がかかると考えられます。
ハーネスを利用したり弾性のあるリードに変えるなどちょっとしたことですが、毎日の事なので効果は意外と大きいかもしれません。
予防が最も大切
腰痛の原因となる関節痛や椎間板ヘルニアなどは薬や手術で元通りになるものではないし、回復していくといった性質ではありません。
そのため予防が一番効果的です。
仕草を見抜く
足を引きずるような仕草、散歩を嫌がるなどは痛みや麻痺の兆候です。
早期発見できれば投薬や針治療など比較的簡単に対処できます。
抱っこの仕方にも注意
前足の両側に手を入れて持ちあげてしまいがちですが、ぶらーんとなる際に背骨や腰に日常ではかからない負荷がかかります。
前足の両脇に腕を入れて抱え、もう片方は腰と後ろ足を支えるように抱えましょう。