認知症のはっきりとした原因は現段階の医療では分かっていません。
しかし、発生のメカニズムや病気の進行具合はある程度判明しています。
人の場合と同様に、犬の場合もときどき痴呆の症状を見せますが、それは気が付きにくいものです。
ですが、認知症は放っておくとどんどん進行してしまいます。
しかし、飼育管理によって発症を予防したり、症状の進行を遅らせることはある程度可能であると考えられています。
脳への刺激を増やして予防しよう
人間でも定年後に趣味や目標を持たない日々を過ごすと脳が衰えていきます。
認知症になりやすい条件として、脳への刺激が少ないことは大きな要因の一つです。
脳への刺激を考えると毎日同じパターンの単調な生活は、脳を使う機会を極端に減らしています。
- 同じ時間に同じゴハン
- 同じ散歩コース
- 昼寝し放題
- 番犬としての仕事がない
- 遊んでもらっていない
認知症の予防・対策としては、日々考えたり、緊張感を与えることによって脳にまざまな刺激を与えることが必要です。
五感を刺激することは脳へ直接的な影響があります。
頭を使う
飼い主さんと頭を使うようなゲームや遊びをする。
おやつの入ったおもちゃを使ったり、宝探しゲームをしましょう。
嗅覚を使ったり、論理的に考えたりすることで脳を活性化させます。
宝探しゲーム
宝探しはお気に入りのおもちゃやニオイをつけたハンカチなどを探させるゲームです。
- おもちゃののニオイを嗅がせて、マテを指示します。
- その間にわかりやすい場所におもちゃを隠し探させます。
- 見つけたらほめておやつをあげる。
数回繰り返してルールを覚えさせます。
失敗したり、見つけることができなかったりすると犬はストレスを感じます。
はじめはかなり簡単にしてあげましょう。
徐々に難易度を高めことで思考と嗅覚に集中することができます。
お散歩コースを変えてみよう
いつも同じ散歩コースばかりだったら、犬だって慣れて刺激を感じなくなってしまいます。
少しコースを変えてみましょう。
その変化はさほど大きくなくても大丈夫です。
土の上や砂利道、草の上など裸足で歩いている犬には地面の材質の違いも脳への刺激になります。
また、いつもと違う景色やニオイがすると好奇心や緊張感が良い刺激となります。
ポイント
老化と共に体力の衰えから散歩に行ける距離が短くなりますが、運動を減らすと筋力の低下から寝たきりに近づいて行きます。
寝たきりになるとすごい速度で老化が進みます。
それを回避するためにも距離を減らして、散歩の回数を増やすことで補いましょう。
知らない人や犬との触れ合い
今までに会ったことのない人や知らない犬との出会いや触れあいは、色々な感情が入り混じって脳にはいい刺激になります。
また、お互いに遊んだり、ニオイを嗅ぎ合ったりとコミュニケーションをとることは非常に重要です。
ニオイを嗅がせてみよう
犬は五感のうち嗅覚を非常に重要な情報源としています。
私たちが思っているよりもニオイからさまざまなことが読み取れます。
いろいろな匂いをかがせてみましょう。
- 友人の手袋
- 紙袋
- 借りてきた本
- 拾った松ぼっくり
- とれたての野菜
このように何でも良いのです。
私たちからすれば「こんなものニオイある?」というものでも興味津々でニオイを嗅ぎます。
特に動物のニオイがするものは大好きです。
脳への刺激にもなりますし、何より簡単です。
有害なものや刺激が強いものはやめましょう。
スキンシップとストレッチ
老化ともに犬の五感は鈍くなっていきます。
それは、脳への刺激が減っていくということでもあります。
足の指をマッサージしたり、足首をまげてストレッチを行ってあげるなどすると、筋肉や関節を柔軟に保つことができ脳への刺激にもなります。
また、耳が悪くなるので声をかけてから、ボディタッチをしてコミュニケーションをとるようにしましょう。
音楽を聞かせよう
人間の認知症では音楽を聞かせたり、リズムに合わせて手足を動かしたりすると脳の活性化につながることが分かっています。
犬でも音楽を聞かせるとストレスが減ったり、リラックスしたりと脳へのよい影響があるようです。
音楽を聞かせるだけなら楽に行えますね。
音楽を選ぶ際の基準ですが、心拍数と同じリズムを好むと言われています。
また、犬によって好きな曲は違いますが、意外なことにソフトロックとレゲエのリラックス効果が高いという研究結果もあります。
同じジャンルばかり毎日聞かせ続けると、慣れてしまって効果が薄くなるという結果が出ていますので、日々さまざまな音楽を聞かせて好きな曲を探ってみても良いかもしれません。
CDよりもレコード
ワンコに音楽を聞かせる際にも、再生しやすくて便利なのはCDやMP3などのデジタル化されたものです。
しかし、これらは情報のサイズを小さくするために人間には聞こえない周波数をカットしています。
犬の耳は人間よりも高い周波数も聞き取れるので、音楽がそのまま録音されているレコードの方が効果的と考えられます。
もし、レコードを選択できる環境ならばレコードを聞かせよう。
食事やサプリメントによる予防
認知症の予防として食餌療法が効果があるとされています。
特に積極的に食べさせたいのが「オメガ3脂肪酸」です。
私たちがよく耳にするのはDHAやEPA、αリノレン酸なんかがオメガ3脂肪酸になります。
血液の流れを良くしたり、血管を柔らかくしたりと循環器系の疾病予防に効果。
血管の柔軟性を保つことは、心臓や脳の疾患を予防したり発症を遅らせる効果が期待できます。
また、DHAなどは老犬になってくると多く見られる関節炎などにも作用します。
オメガ3脂肪酸は青魚に多く含まれているので、できるだけ食べさせてあげたいですね。
他にもサプリメントや魚油の利用もお手軽でいいかもしれません。
始めたい年齢
- 日本犬系統は7歳ごろから
- 大型犬は8歳を過ぎたころから
- 小型犬は10歳を過ぎたころから
日本犬系統や大型犬は、認知症などの老化現象が早いうちに見られる傾向があります。
食べ物の改善は早いうちから始めることで、健康寿命を延ばすことができます。
やはり、いつまでも元気な姿を見せてほしいですからね。
まとめ
認知症を予防するための習慣は、どれもさほど難しいことではありません。
今までの習慣の中に少しだけプラスすることで、犬の脳を活性化することができます。
頭を使うゲームは、体力を必要としないのでシニアになってからでもやりやすいでしょう。
お散歩コースを変えるのも、私たちが少しコースを考えるだけです。
そうすれば、今まで出会わなかった犬や人に会うことになり、それがまた刺激になるでしょう。
また、多くのものはすでに実行しているかもしれません。
それらを積極的に増やしていきましょう。
サプリメントや手作り食を採用するのも良い方法です。
早いうちから始めると老化が遅くなるのでおススメですね。
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