犬はたくさんの種類がいますが、それぞれの犬種に歴史と生まれた経緯が存在します。
そのため、犬種による性格や特徴が存在します。
もし、犬を飼うと決めた場合には、何年も共に暮らすことになります。
プードルを飼う前に、自分に合った犬なのかを知っておきましょう。
歴史
プードルの起源は未だにハッキリとはしていませんが、紀元前1世紀のローマやエジプトの遺跡にはプードルのような特徴を持つ犬が描かれています。
原産地の特定は困難ですが、研究で明らかにされている発祥は、ロシアまたは中央アジア北部と考えられます。
プードルはフランス原産と考えられてきましたが、古くからヨーロッパ全体にプードルと思われる犬が存在していました。
長い時間と共にヨーロッパ各地に広がって、地域の犬と交雑を繰り返しながら広がっていき、ドイツからフランスに入ったと言われており、そのころには現在のプードルの姿になったと考えられています。
そのため、プードルの語源はドイツ語のプデル(Pude:水中でバチャバチャと音を立てる)からきています。
バルべ(Barbet)
体高:53 ~ 58cm
体重:20 ~ 25kg
フランス原産のウォータードッグでバルベ(barbet)という犬種です。
現在のプードルの原型に影響を残していると言われています。
この犬は巻き毛の水猟犬のうちで、ショードッグ化されなかった系統の犬種です。
そのため、昔と変わらない姿をとどめています。
スタンダード・プードルはこの大きさとほぼ一致します。
そのため、プードルのスタンダードはこの大きさから始まっています。
大型犬の部類に入る大きさです。
特徴
身体
体高と体長の等しいスクェアな体形で均整がとれています。
可愛い見た目ですが、足の筋肉はしっかりと発達していて、肉球も厚く、走ったり泳いだりと運動に適した犬種です。
口の長さ(マズル)は長く、耳は目の高さと同じくらいの場所にあってたれ耳です。
細い手足と小さな頭を持ち、尾は根元が太く上を向いている。
選べるサイズ
プードルは大型犬から小型犬まで、すべてのサイズが存在します。
そのため好みのサイズを選んで飼うことができます。
- スタンダード
- ミディアム
- ミニチュア
- トイ
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賢い
「プードルのように賢い」北欧ではこのような表現が存在するほど、実は知性が高いプードル。
ブリティッシュコロンビア大学で行われた研究では、知能レベルは全犬種の中で1位のボーダーコリーを次ぐ2位です。
賢さはさまざまな面で見られ、トレーニングもどんどん覚えるため、しつけもしやすく、芸もかなり早く覚えてしまいます。
その賢さに共に生活すれば何度も驚かされるでしょう。
訓練性の高さから、軍用犬として活躍していた時期が存在するほどです。
秘めたる才能
プードルは賢いだけでなく、猟犬であったこともありその身体能力もとても高い。
そのため、さまざまなところで活躍しています。
トリュフ犬
ヨーロッパで人気の高級食材トリュフ!
こいつは土の中に生えるキノコなので、探し当てるため昔から犬の嗅覚が利用されてきました。
プードルの嗅覚でトリュフを見つけ出し、ダックスフンドが穴を掘って入り込んで行くといった作業で活躍していました。
サーカス犬
ベルギーではワッフルだけではなく、実はサーカスもとても盛んな国でプードルもショードッグとして登場していました。
非常に賢く、運動能力が高く、身体も丈夫なプードル。
さらに見た目の可愛らしさも兼ね備えていたため、サーカスでも活躍することとなりました。
このときにサーカスで活躍しやすいように、小型化され、小回りが利くように体は短くなって正方形の体形に変化していきました。
18世紀ごろはサーカス・ドッグとして調教され、ヨーロッパ中へ輸出されました。
他にもいろいろ
プードルは才能豊かな犬なので、その他多くの所で活躍しています。
- アジリティ
- ドッグダンス
- 盲導犬
- 聴導犬
- セラピードッグ
なんでもできると言えてしまうほど、多彩な才能をもつプードル。
「カモを獲る犬」カニシュ
ドイツから猟犬として、フランスに入ってきたプードルですが、
フランスでは「Caniche(カニシュ)」と呼ばれています。
これは鴨を獲る犬という意味で、プードルは狩りに行った際に、撃ち落とした鴨を泳いで取りに行く猟犬として活躍していました。
泳ぎは得意
ヨーロッパ各地の水猟犬とも交配していた影響でしょう。
プードルの被毛はシングルコートで、カールしています。
水に強い犬種でで、たとえ濡れてもブルブルと体を振ると水が飛んでいくため乾くのも早い。
抜け毛がほとんどないため、アレルギー体質の方でも飼育できる犬として人気があります。
とても優雅な印象が強い犬です。
特徴的なカット
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プードルのイメージと言えば、特徴的なカット「クリップ・スタイル」でしょう。
このカットにはデザインだけではなく、きちんとした理由があり生まれました。
クリップ・スタイル?
本来、プードルは撃ち落とした水鳥を回収する猟犬として広まっていきました。
被毛は良く伸びるので、定期的にカットする必要があります。
そのため、長い毛のままでは泳ぎにくいので、抵抗を少なくして泳ぎやすくするために、腰のあたりや太ももまわりを短く刈り上げました。
そして、足の関節を守るために、冷たい水から心臓を守るために胸部の被毛を残しました。
尻尾にはボンボンを残すことで、他の犬との識別に役立っています。
プードルの被毛は良く伸びるので、自由なヘアスタイルに変えて楽しむのも魅力のひとつと言えます。
色のバリエーション
プードルの毛色は非常にバリエーション豊かです。
- ホワイト
- ブラック
- シルバー
- ブラウン
- ブルー
- シルバー・ベージュ
- グレー
- クリーム
- レッド
- アプリコット
- ベージュ
- シャンパン
トイプードルの毛色は単色(ソリッドカラー)を理想としており、さらに濃淡が存在します。
そのため、色だけでもそれぞれの犬の個性がでる犬種です。
ホワイトの被毛なら、着色して楽しむことも可能です。
上の写真は思いっきり毛染めをしています。
性格
プードルはとても陽気な性格で社交的です。
友好的な性格なため、家族以外の人にも人懐っこい一面を見せるでしょう。
また、他の犬とも仲良くすることができるため多頭飼いにも適しています。
しつけが大切
どの犬にも言えることですが、小さなうちからしつけをしっかりして、良いことと悪いことを教え、自分の立ち位置を理解させましょう。
非常に賢いため、しつけはしやすく、小さな子供がいても飼いやすい犬種です。
飼い主に対して従順な性格ですが、賢いため飼い主との立場が自分の方が上だと感じると、ワガママを通そうとするようになります。
繊細な部分を持ち合わせているため、きつく叱ったりするとトラウマになることもあるので、焦らずにしっかりと教え、良いところは褒めて伸ばしてあげましょう。
寂しがり屋
家族に対しての愛情が深い犬で、家族と過ごすことが大好きです。
そのため一人でお留守番はあまり得意ではありません。
長時間お留守番をさせると、いろんないたずらをするかもしれません。
甘えん坊?
プードルは全サイズ揃っていますが、小型化するにつれて甘えん坊な性格が強くなる傾向にあり、若干ですが性格に違いがあります。
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プードルのかかりやすい病気
それぞれの犬種によってかかりやすい病気の傾向が存在します。
また、遺伝的な欠陥による病気もいくつか見られるようです。
それらについてはあらかじめ知っておくと早期発見につながるかもしれません。
骨や関節の病気
- 骨折
- 関節炎
- 膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)
- レッグペルテス
目の病気
- 流涙症(りゅうるいしょう)
- 白内障
- 進行性網膜萎縮
耳の病気
- 外耳炎
神経性、内分泌系疾患
- てんかん
- 低血糖
- 副腎皮質機能亢進症 (クッシング症候群)
- フォンウィルブランド病
- 停留睾丸
皮膚病
- アレルギー性皮膚炎
- 膿皮症
- 皮膚真菌症
- 外部寄生虫性皮膚炎
- 脂漏性皮膚炎
呼吸器
- 気管虚脱
まとめ
プードルは基本的に社交的で、人間も大好きです。
そのため、初めて犬を飼う場合や家族で飼う場合にも適しています。
また、先輩犬や猫がいたとしても、仲良くすることができるでしょう。
非常に賢いのでしつけやルールを覚えるのは早く、家庭への順応性は抜群です。
犬は初めの一年でものすごい速さで成長します。
社会化を覚えるのにも大切な時期なので、パピークラスなどを利用すると成犬になったときにも楽かもしれません。
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非常に運動能力も高いのですが、骨折や関節炎などの病気になりやすいため、運動はほどほどが大切です。
また、毛はあまり抜けませんが、モコモコの毛はゴミやホコリをモップのように絡めてしまうので、日々ブラッシングしてあげることが、健康に保つポイントでしょう。