ビーグルと言えばキャラクターとして有名なスヌーピーのモデルとなった犬種です。
猟犬として活躍してきたビーグルはスヌーピーの登場以来、家庭犬として世界中で愛される犬種となりました。
小柄ながら筋肉質で大きなたれ耳が特徴的で、しっぽを振って元気よく走る姿にはこちらも元気をもらいます。
歴史
ビーグルは1475年の記録が残っているほど非常に古い犬種です。
15世紀ごろのイギリスで盛んに行われていたウサギ狩りに使用していたハウンド種の中で最も小型の犬種となります。
ウサギ狩りとは?
15世紀ごろのヨーロッパではウサギ狩りが流行っており、その際に猟犬としてビーグルを連れていきました。
狩りは数十頭のビーグルを一斉に離すことで、自慢の嗅覚を使って足取りを追い、隠れているウサギを見つけ出して追うというスタイルで狩りが行われていました。
それをハンターが追従して仕留めるという狩りでした。
ビーグルを猟犬として使う理由としては、豊富な体力と獲物を鳴きながら追い詰めていく「追い鳴き」と呼ばれるスタイルの習性がありました。
また、他の犬種よりも足は速くないため、狩猟の際には馬に乗らなくても徒歩で狩りを楽しむことができたため好まれました。
ウサギ狩りの醍醐味?
ウサギ狩りは食料のための狩りというよりは、「楽しむためのスポーツ」として行われるものでした。
ウサギも命がけなのでビーグルの追跡をかわすため様々な努力を重ねました。
- 岩から岩へ跳ぶ
- 急角度で曲がる
- 引き返す
- 沢を渡る
などトリッキーな動きで翻弄し、行き先を惑わせ、ニオイの追跡を難しくさせました。
ですが、ウサギの巧妙なトリックや努力は逆に人間の好奇心をくすぐるものとなり、ウサギのトリックを見破りながら追跡するところにウサギ狩りの面白さを感じさせる結果となりました。
進化する狩り
17世紀に入るとビーグルの集団を制御するためにホルンが使われるようになりました。
ホルンとは角笛から進化した金属製の笛で、馬の上でも使いやすいように管が大きく巻いており肩に掲げるようになっています。
ホルンを吹くことで集団に対して、音の強弱や長さ短さで命令を伝え
- 前進
- 後退
- 待て
などの指令により統率を取っていました。
現在の犬笛の原理とも言えますね。
特徴的な声
ビーグルは集団で獲物を追跡するため、犬同士もよく通る高い鳴き声で仲間と連携を取ってウサギを追い詰めていました。
その特徴的な鳴き声からビーグルは多くの愛称などが付けられており、
- 森の鈴
- 森のトランぺッター
- フィールドの声楽家
などと呼ばれ、エリザベス1世女王も所有していた犬たちを「歌うビーグルたち」と呼んでいました。
外見の特徴
体 重 | 7~14kg程度の小型犬 (オスメスともに) |
体 高 | 33~40cmくらい |
被 毛 | 短毛種 |
耳があごのラインまで垂れ下がっており、特徴的で目を引きます。
口は通常くらいの長さ。
猟犬であるため、骨太で筋肉質な体つきで引き締まっており、胴はやや長めです。
体のサイズのわりに重さがあり、10Kgを超えることもあります。
ビーグルの名前の由来
ビーグルという名前になったのは16世紀頃とされており、名前の由来も諸説あります。
- フランス語やケルト語で「小さい」という意味
- フランス語の「小さい」が訛ったもの
- フランス語の「大声を出す」という意味
などから来ているとされています。
ビーグルの毛色
- ブラック・タン・ホワイト(トライカラー)
- レッド&ホワイト
- レモン&ホワイト
しっぽの先が白いものが好まれています。
ブラック・タン・ホワイト
なめした皮の色を英語でタンと言います。
渋色、淡い茶色のことを言います。
3色なのでトライカラーとも呼ばれます。
レッド&ホワイト
赤と白の2色のタイプ
茶色の濃さには個体差がある。
レモン&ホワイト
レッド&ホワイトのレッドの部分がレモンみたいな明るい色ということらしい。
決して黄色ではないけど、かなり明るい茶色と白の2色の毛色。
毛並み
ビーグルは短毛種で少し硬めの短い毛が非常に密集して生えています。
被毛はツヤがあり、なめらかといえます。
ビーグルはダブルコート
「オーバーコート」と呼ばれる硬くて太めの毛があり、その周辺からフワフワとした短い毛「アンダーコート」が生える二重構造になっています。
フワフワのアンダーコートは冬場は防寒に役立ち、気温の上昇と共に抜け落ちて体温の調整をしています。
そのため、季節の変わり目は換毛期なので、初夏や秋などは非常に多くの抜け毛が発生します。
こまめなブラッシングを心がけましょう。
ブラッシングのメリット
ブラッシングをしっかりしてあげると、何らかの異常があっても見つけることができます。
皮膚の血行も良くなって皮膚病の予防になり、愛犬との良いコミュニケーションにもなります。
ビーグルの仔犬の選び方
ビーグルは子犬選びに失敗しにくいメリットがあります。
ビーグルには遺伝的な特徴があり医学利用として、下記のような理由から実験動物として使われることがあります。
生理的安定度が高い
(複数匹いても個体差が少ないのでデータが取りやすい)
多産
(小型犬でありながら子供をたくさん産む)
そのため、データ取集の都合から製薬会社などで飼育されていたりする側面もあります。
この特徴は私たちがビーグルを飼う際にも大きなメリットです。
個体差が少なく、安定していることは健康な仔犬を選ぶ確率が高いということにもなります。
健康な仔犬の重要性
犬を飼う時に健康は子犬を入手することは非常に重要です。
健康で元気な犬は病気になりにくく、遺伝性疾患の心配も減るので犬も飼い主もさまざまな苦痛を受ける可能性が少なくなります。
もちろん入手の際には信頼できるブリーダーが一番ですが、ペットショップで選ぶ場合には、
頭を上から見て長方形に近く、口元があまり細くない仔犬にしましょう。
頭が大きいと将来オーバーサイズになりやすい傾向にあります。
近年は無駄吠えが少ない系統も存在するようです。