愛犬にマダニを見つけたときの対処法!知っておきたい生態と予防

地域によって気温は異なりますが、ゴールデンウィークを過ぎるころには全国で暖かさが感じられるようになってきます。

春は爽やかで過ごしやすい季節ですが、虫などにもちょうど良いため活動が活発になり始めます。

 

そんな昆虫のひとつがマダニです。

春のお散歩の際にはマダニが愛犬たちを狙っています。

やつらはただ血を吸うだけではなく、病気の原因となるため人間にも多大な影響を及ぼすので注意が必要だ。

 

マダニとは

多くの人が知っている存在ですが、実際に見たことがある人はそれほど多くないでしょう。

8本の足を持っており、サソリやクモなどに分類される虫です。

さまざまな種類のダニがいますが、ペットに影響があるのは日本では20種類くらいと言われています。

 

血を吸います

動物にくっついて皮膚に直接噛みついて吸血します。

血液だけを食料としており、何も食べなくても数カ月~数年生きることもできるタフな奴です。

 

対象となるのは動物で犬や猫だけでなく、人間もターゲットのひとつです。

そのため、どうしても家に侵入させたくないものです。

 

脱皮を繰り返し成長する

マダニは吸血することで栄養を補給し、パンパンになったら勝手に落っこちていきます。

そのあと脱皮して大きくなり、また獲物を見つけて吸血を繰り返します。

 

最終的には産卵することで増えていき、卵は3000個ほど産める能力があります。

 

マダニを防ぎたい理由

血液をけっこうな量を吸うので大量に寄生されると犬なんかは貧血を起こすほどですが、本当に注意したいのはマダニが持つ感染症です。

 

原因はマダニの唾液です。

マダニは吸血すると成分だけ頂いて、水分は唾液と共に体内に戻してきます。

この唾液には血液が固まらないようになる成分が含まれていますが、このときに感染症の原因となるウィルスや細菌も共に流れ込んできます。

 

マダニは感染症の運び屋なのです。

 

アレルギー性皮膚炎

マダニの唾液によってアレルギー反応が起こる。

強いかゆみがあって何度もカイカイするので、皮膚を傷つけてしまう。

 

かゆみは強いストレスとなり、免疫力は下がり、かきむしったキズから化膿したり、感染症などの二次感染が起こる。

 

バベシア症

バベシア原虫という小さな単細胞生物が侵入してくるため、どの犬種でも関係ない。

血液中の赤血球を破壊するため、重度の貧血が起こるようになる。

特効薬は未だに見つかっておらず、完全駆除することはできず体内に残ってしまう。

 

ライム病

ライム病ポレリア菌という細菌が体内に侵入することで病気が起こる。

症状が起こるのは犬の5%程度で多くは関節炎を発症する。

他にも発熱や食欲不振、リンパ節が腫れたりする。

 

ただ、放置すると腎炎や心膜炎などの合併症を引き起こすことがある。

さらに注意したいのは犬だけでなく人間もライム病になること。

 

他にも人間も発症する病気

  • 日本紅斑熱
  • Q熱
  • SFTS

 

注意ポイント

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

マダニによる感染症として有名ですが、特効薬がなく死亡率が6~30%程度あることです。

人間もマダニは気を付ける必要があります。

 

マダニはこんなところにいる

湿気の多い場所を好む習性があります。

  • 森林
  • 湿地帯
  • 田んぼ
  • 草むら

マダニはノミのように飛んだりすることはできず、基本的には草の上でじっと待ち構えています。

 

生き物を察知する能力が優れており、

  • 動物の振動
  • ニオイ
  • 体温
  • 吐き出す二酸化炭素

などさまざまなモノを感知することが可能で、草の先端で待機しながら通った動物につかまって寄生します。

お散歩の際にはこういったところを避けるように気にしたいですが、草むらなんかは犬が入りたがる傾向にありますね。

 

簡単に取れない吸血状態

マダニは皮膚に到達するとハサミのような口で、皮膚を切り開いて頭を突っ込みます。

口はストロー状で吸うことができて、外側はノコギリのような返しが付いているので抜けにくい構造になっています。

また、吸血を始めるとセメントのような物質を出して、口を周辺と固めてしまうのでもはやブラッシング程度では取れず、力を入れないと引っこ抜くことはできません。

満腹になると自らセメントを溶かして逃げていくのです。

 

ダニを見つける

散歩から帰ったばかりなら、少し体を見回せば肉眼で簡単に見つけることができます。

しかし、時間が立つほど皮膚へと近づいて行くので、毛をかき分けないと見つからなくなっていきます。

 

手触りでも見つけられる

噛みつかれて吸血し始めてからは目視だけでなく、触感によって見つけることが可能です。

人間の手で犬の皮膚を触っていけば皮膚の周辺は少し硬くなっており、とげのように刺さっているので触感で感じることができます。

かなりの吸血した状態なら、さらに簡単に見つけることが可能で、イボのようなものが皮膚にぶら下がっています。

 

ダニを除去するには

マダニが吸着しているのを発見したら獣医師に取ってもらうのがベストですが、飼い主さんが取ってしまうのもひとつの手です。

注意すべき点をふまえて行えば難しいことではありません。

注意ポイント

パンパンの状態だとコロンと取れちゃうことがありますが、それ以外の場合でも手で引っこ抜くことは可能ですが、高確率であごと頭がちぎれて皮膚に残ります。

つぶしてしまうこともあるので、やはり道具を使うべきでしょう。

 

毛抜き

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毛抜きで十分に対応できます。

しっかりと皮膚ギリギリを狙ってダニの口器を掴んで引き抜きます。

ブチって音はしますし、出血する場合もありますが、ティッシュなどで拭き取って消毒しましょう。

注意ポイント

抜き取ったダニはセロテープで挟んで捨てましょう

潰すと卵や細菌が拡散する可能性があります。

 

おすすめアイテム

使いやすい道具というのは作業が正確に行えます。

おすすめは鉗子(かんし)で医療ドラマなんかで見かけるハサミとピンセットの間のようなです。

 

皮膚間際をマダニだけ掴むことができ、挟んだら落としたりしません。

使いやすいサイズや耐久性などを考えると「モスキート鉗子」の先端が反ったモノがベストじゃないでしょうか。

 

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予防が大切

 

マダニに噛まれないことがベストですから、やはり予防対策が重要でしょう。

 

散歩から帰ったらブラッシングする

物理的にブラシで落としてしまう作戦で簡単で効果が高いです。

被毛に乗っかっている程度のマダニなら簡単に落とすことができます。

時間と共にどんどん毛の中へ向かっていくので、帰宅したらすぐに行いましょう。

 

ノミ・マダニ駆除薬

ブラッシングと併用するのがおすすめです。

ブラシだけで完璧に防ぐことは不可能なので。

駆除薬には大きく2種類ありどちらも根本的な違いがありますが効果は絶大です。

  • 飲み薬タイプ:内側から効く
  • ピペットタイプ:肩甲骨の間あたりに薬液を垂らす

 

飲み薬タイプ

食べさせるだけで投薬が済むので非常に簡単です。

服薬することで血液中に薬剤が溶け込むため、全身くまなくガードすることができます。

そのため雨に当たったりシャンプーしても効果が薄れることがありません。

 

有効成分もさまざまな種類があり、体質的に合わなかった場合でも、別の有効成分のお薬にトライすることができる。

フィラリア予防薬や内部寄生虫のお薬と一体型の場合が多いので一度に対処できる。

 

デメリット

吸血するとマダニが死んでしまいますが、吸血しないと効果がありません。

また、内服薬なので副作用の可能性は避けられません。

 

購入するのに動物病院や薬通販サイトでないと入手できない。

(Amazonや楽天では売っていないということ。)

 

ネクスガードスペクトラなどを個人輸入代行を利用するとお得に購入できます。

私たちから見ると通販サイトしか見えませんが。

 

ピペットタイプ

外用薬で犬の皮膚に垂らすことで全身に広がっていきます。

毛穴にある皮脂腺にとどまるので1カ月間効果が続きます。

 

有効成分は哺乳類に対しては毒性がありませんが、昆虫にとっての接触毒なので触れると死んでしまいます。

 

デメリット

吸血されることなく犬を守ることができますが、皮脂の分泌が少ない足先など少し効果が弱いのが特徴です。

内服じゃないので副作用はありませんが、接触性皮膚炎になるワンコがいるので投薬部分が赤く荒れたら、使用を中止しないといけない。

投薬して1~2日はシャンプーできないし、逆にシャンプーしたばかりだと皮脂が少なすぎて全身に広がらないから使えない。

 

フロントラインプラスなどが代表的ですね

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