犬の老化!どのような変化が愛犬に起こるものなのか?

生き物にとって老化は決して逃れることのできない現象です。

人間も犬も老化という現象を現代では未だ避けることはできません。

老化は必ず訪れるものですが、生き物によってその速度は大きく異なります。

 

犬の老化は私たちの思っている時間感覚よりもずっと早く訪れます。

老化はある日、急に来るものではなく、少しづつ確実にゆっくりと変化を遂げています。

 

 

そもそも老化とは??

老化というのは年齢を重ねることによって、細胞の新陳代謝が遅くなっていくことです。

生き物の体は常に、細胞の入れ替わりが行われていますが、遅れてくることによって傷の治りが悪くなったり、疲労の回復に時間がかかったり、体内での老廃物の処理が遅れるなどさまざまな部分で連鎖的に悪循環が起こることです。

その結果、どんどん肉体では変化が起こることになります。
毛が白くなったり、骨がもろくなったり、食べ物の消化が遅くなったりといった現象がおこります。

 

大型犬ほど老化が早い?

犬の場合、老化の速度は一般的には体が大きいほど早い傾向にあります。

そのため自然と大型の犬種の寿命が最も短くなっています。

 

例:セントバーナード 体重65kg

このような大型の犬は5~7歳くらいから老化の兆候が見られるようになります。

そして、平均して7~10歳程度でその生涯を終えてしまいます。

私たちからするとかなり早く感じるはずです。

 

少し軽量の大型犬

  • ゴールデンレトリーバー
  • グレイハウンド
  • 秋田犬
  • グレートデン
  • マスティフ

これらのような、少し軽量の大型犬などもやはり寿命は短めです。

8~9歳で老化が見られ、寿命は10~12年ほどです。

 

 

 

中型犬の場合は?

多くの犬種は大型犬と小型犬の中間であるため、老化の始まりや寿命もこれらの中間くらいになります。

 

No.1 長寿犬

ちなみに世界一長寿な犬はオーストラリアン・キャトル・ドッグのブルーイー君です。
中型犬ですが、29歳5ヶ月生きることができました。

犬だって条件さえよければ、このような長生きができる実力を持っているようです。

 

体重が2~5kg以下の小型犬

  • チワワ
  • マルチーズ
  • ポメラニアン
  • ダックスフンド

など

これらのような小型の犬種では寿命が長く、老化が見られるのは10~12歳あたりからで健康状態が良ければ15歳前後まで生きることができます。

さらに条件が良ければ17~20歳まで生きる犬もいます。

犬の老化はどこに現れる?

生まれた時期がわからない犬の場合、正確な年齢を知る手掛かりはほどんどなく、スタート地点がわからないと身体の様子だけでは年齢を知ることもほぼ不可能です。

ですが犬の場合、老化が始まっているかどうかを知る方法はたくさんあるようです。

厳密には老化は全体で起こっています。

目で見てわかるところとわからないところはありますが、様々な部分が変化し進行しています。

  • 身体
  • 行動
  • 排泄物

など

 

行動の変化

老化することにより行動にも変化が起こるようになります。

長時間の運動や散歩を嫌がるようになります。
特に早朝や寒い日、雨天のときなど

階段の昇り降りもジャンプするように行っていますが、気が付けばゆっくりと行動するようになります。

 

反応や興味の示し方か少しづつ鈍くなるので、家族や周囲の物事に対して反応が悪くなります。

 

日中でもウトウトして、眠っている時間が長くなっていきます。

食欲も減退傾向にあります。

 

見た目の変化

人間でも老化によって老けますが、犬でも例外ではありません。
老犬になったと見た目でわかるようになります。

 

体格が変わる?

犬を真上から見たときに上半身に対して、下半身が小さく見える。

おしりが小さくなった?と感じることができます。

あんなにがっしりと大きかったはずの身体が、なんだかスリムに・・・・

これは、筋肉が落ちてきているためで、丸みがあったおしりは骨ばって四角い印象に変化します。

 

内臓にも老化が訪れるため、消化吸収能力が低下してしまいます。
そのため、痩せてしまったりします。

 

太ってしまう場合も

これは人間と同じように痩せたおじいちゃんもいれば、太ったおじいちゃんもいるように個体差があります。

老化と共に筋力が低下し基礎代謝も低下していきます。
今までと同じような給餌ではカロリーが多すぎる場合があります・

そのため、肥満になってしまう場合もあります。
老犬に合わせた老犬用のフードへと変えていくことも必要です。

 

目が白く濁る

老化に伴って目にもその影響が見られるようになります。

代表的なのは白内障で瞳が白くにごります。
そのため、目が見えにくくなります。

時間の経過と共に進行していくため、最終的には真っ白になってしまいます。

完全に白化した場合は視力はないので、見えない方の目は視覚となるので家具にぶつかったり、散歩の際にも人や物のぶつかることがあります。

 

被毛の変化

全身が被毛で覆われている犬は、毛は老化してくると最初に目につく変化と言えるでしょう。

見た目や手触りなど、若々しかったところを知っていると変化は歴然です。

 

白髪が目立つようになった

犬も人間と同じように年をとってくると、色が薄くなってきて白髪も見られるようになります。
老化によってメラニン色素という「色を作り出す部分の細胞」が機能しなくなっていくためです。

ワンコの場合には鼻、口、眉あたりから白髪になり始め、全身の被毛の退色が進むようになります。

 

被毛の質が落ちる

若い時にはふんわりして艶やかだった被毛は、老化によって徐々に毛の質も落ちるため、ツヤがなくなりパサパサした状態が目立つようになります。

また、換毛期のある犬種では、新陳代謝が遅くなるため毛が抜けるのが遅くなり、長期間だらだらと毛が抜け続けます。

 

皮膚トラブル

皮膚も老化するため、それに伴って皮膚トラブルが起こりやすくなります。

犬はもともと皮膚が弱い構造になっています。
そのうえで老化が進行するとお肌のうるおいが失われることで乾燥しやすくなります。

また、皮膚が乾燥して硬く厚くなるため、かゆみが生じやすくなります。
甲状腺の機能低下なども伴ってフケが出やすくなります。

この状態でノミやダニなどによってかゆみがひどくなったりすると、犬は1日中ひっかいて傷を作ったり、出血したり炎症を起こします。

 

イボができる

皮膚の老化が進むとイボができるようになります。
顔や足先を中心に体にイボができます。

 

好発犬種

  • キャバリア
  • コッカースパニエル
  • バセットハウンド
  • ラブラドールレトリーバー

どの犬種でもイボは発生する可能性がありますが、これらの犬種は、比較的多く発生する傾向にあるようです。

シーズーは特に多く発生する犬種です。

 

稀にがんの場合も

イボを発見しても、イボと腫瘍を私たちが判断することは難しいでしょう。

犬は全ての動物の中で最も悪性腫瘍(ガン)を発症しやすいと言われています、
加齢によって皮膚に様々な腫瘍を生じる傾向があります。

ガンの可能性もあるので、発見したときには獣医師に相談しましょう。

 

早期発見が大切

イボは放置しても問題ありませんが、ガンだった場合は放置しておくと転移をして、手の施しようがなくなります。

しかし、早期発見することができれば完治させることが可能です。

常にブラッシングをしたり、マッサージをしてあげた際には、異変がないかをついでに調べるようにしましょう。

また、気軽に相談できる獣医師さんを見つけておくことも重要ですね。

 

 

皮膚疾患にかかりやすい

老化によって免疫力の低下が原因で、皮膚疾患が見られる場合もあります。

健康なときには病原性のなかった細菌やバクテリアなどによって、皮膚に炎症が起こったり、アレルギー反応が起こったりします。

皮膚の乾燥はお肌のバリア機能の低下を引き起こすため、普段は何でもなかった刺激にも敏感に反応しかゆくなります。

 

アレルギー性皮膚炎(アトピー)

高齢になってからアトピーが発症する場合もあります。
強いかゆみが特徴で、血が出るまで掻いてしまう。

特定のアレルゲンを吸い込んだり、食べたりすると反応してしまう。

 

皮膚真菌症

皮膚の抵抗力が落ちたときに、カビが寄生した症状です。
人間でいう水虫の状態です。

 

毛包虫症(アカルス)

年齢によるホルモンバランスの乱れ、皮膚の抵抗力の低下することによって、毛穴に毛包虫という非常に小さいダニが寄生する病気です。
抜け毛が起こり、ニキビのような膿の水疱ができ、ただれます。
高齢だと治りにくい。

 

 

爪が伸びる

老犬の爪はもろいうえに、非常に速く伸びるようになります。
体は衰えるため、散歩や運動量が減るため爪がすり減らなくなるので、いっそう長くなる傾向にあります。

長く伸びた積めて体をひっかくと皮膚炎が起こったり、爪が伸びすぎて自分の足に食い込んだりするこもあります。

老化してきたら爪もチェックして、伸びていれば切ってあげるようにしましょう。

 

 

見た目にはわかりにくい変化

体の内側で起こる老化は、とても分かりにくいものですが、外側の老化に気が付く状態ならば同じように内側も老化が起こっています。

見た目と中身は比例していると考えられます。

 

視力低下

視力は弱くなり、飼い主さんを目で見つけることができなくなります。
また、投げられたおもちゃやボールを見失ってしまいます。

さらに目が悪くなると、部屋の机やいすなど、障害物にぶつかるようになります。

犬なりに部屋の物の位置を記憶しています。
老化してからの模様替えをしないようにしましょう。

 

聴覚の低下

かなり多くの犬の老化現象のひとつとして、難聴(耳が遠くなる)になります。

短時間のうちに、全く聞こえなくなる犬も少なくありません。

飼い主さんが気が付きにくい変化ですが、名前を呼んでも来なくなったり、指示に従わなくなった場合など聞こえなくなった可能性も考えましょう。

スキンシップの際にも音が聞こえないので、急に触るとびっくりしたりすることがあります。
視界のある方から近づく、ニオイを嗅がせてから触るなど配慮しましょう。

 

嗅覚の低下

老化によって五感が衰える場合でも、嗅覚は一番最後まで残ると言われています。
犬にとって嗅覚は非常に重要で高性能な感覚です。

しかし、嗅覚が著しく低下すると飼い主さんのニオイを認識することができなくなり、孤独感から不安を感じるようになります。

不安から夜泣きなど精神不安定からくる症状が見られる場合があります。
スキンシップによってそばにいることを伝えてあげましょう。

 

骨や関節の老化

歳をとると人間も犬も同じような症状が起こります。
骨の変化もその一つです。

骨の変化は外見的には判断することができませんが、内側では確実に変化が起こっています。
年齢とともの骨や関節は衰えていきます。

骨は細く、もろくなるので骨折しやすくなります。
また、筋肉の量が減り、関節の動きも硬くなるのでかたい床の上ではよく眠ることができません。

ジャンプさせたり、段差を降りるような行動はしないようにしましょう。
激しい運動による関節や骨への過剰な負担をかけないように配慮してあげましょう。

 

お口くさい

歳をとってくると唾液の分泌にも影響が現われます。
また、積み重なった年月は歯石を作り出してしまいます。

これらによって歯周病などが起こりやすくなり、口臭がするようになります。

 

脳の老化

人間と同じように犬の脳も老化が訪れます。

そのため、以前よりも反応が鈍かったり、やる気がなくなったりします。
また、人間でいうアルツハイマー型認知症のような症状が見られる場合もあります。

その場合には、以前では考えられなかった異常行動などの変化が訪れます。

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飼い主と愛犬の老化

犬を飼い始めたときから、この日がくることは決まっています。

愛犬は老化することによって、今までのように言うことを聞かなくなったり、好き嫌いがひどくなったりします。
散歩も非常に遅くなるでしょう。

給餌を変えたり、介護が必要にもなるでしょう。
手間がかかることが増えるかもしれません。

愛犬の変化に対して、いらだったりせず接し方を変えていく必要があることを理解しましょう。

歳を重ねた愛犬にも、また異なった魅力があります。
日中も静かにしていて暴れたり、何かを壊したりすることもありません。

他の動物への興味が薄れ、つねに飼い主さんのそばに寄り添いたいと思うようになります。

愛犬はとても落ち着きのある犬へと成長したのです。

 

まとめ

犬も長く生きていけば明らかに老けてきます。
見た目にもわかるように、犬も白髪になり、目も耳も悪くなっていきます。

また、犬は年を取ると免疫力の低下から皮膚病などにかかりやすくなります。
代謝も悪いので被毛も生え代わりが非常に遅くなり、ツヤがなくなってしまうでしょう。

これらもすべて一緒に長く共にしてきた証です。

丁寧にブラッシングしたり、歯磨きや爪切りなど老化してきたことをしっかりと認識して、今までと少し違ったケアをしてあげましょう。

 

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