犬は人間と壁画があるような時代からずっと一緒に暮らしてきました。
すると、本来の肉食から雑食の動物へと変化していきました。
そのため、かなりいろいろな種類の食べ物を食べることができます。
しかし、人間ほどではないため、私たちと同じ感覚で食べさせると大変危険な場合があります。
中毒をおこしたり、時には死亡してしまう場合があります。
それらを未然に防ぐためには、飼い主さんが知っておく必要があります。
何を食べても良くて、何がダメなのか・・・
食べさせてはいけない
人間は平気で食べますが、犬が食べると命の危険すらある食材はたくさんあります。
そのうえ意外と身近に感じるものばかりで、うっかりあげたら大変なことになります。
最低限覚えておくべき知識といえるでしょう。
犬が欲しがってもあげたりしないように!!
たまねぎ
私たち人間には血液さらさら効果や深い味わいを生み出すために使われる非常に基本的な食材のひとつであるたまねぎです。
たまねぎに含まれる化学物質により中毒症状が起こります。
具体的には血液中の赤血球が溶けたり、壊れてたりしてしまいます。
中毒としては非常に危険な症状ですので、食べさせてはいけません。
危険な量
体重1㎏あたり15~20gで中毒になります。
量を考えるとかなり食べないと達しないように感じます。
食べさせてしまいそうな状況としてはスープが危険ですね。
大量のたまねぎを簡単に摂取できていしまいます。
同じ理由から長ネギも良くないです。
犬に薬味はいらない・・・
チョコレート
芳醇な香りを放つカカオの油脂とチョコレート甘さは、犬が好きな部類の食品です。
しかし、チョコレートは犬にとってかなりの危険食品です。
テオプロミンという成分で人間には、さほど害になるような量ではないのですが、犬はこの成分を分解する能力が遅いため有害です。
症状としては下痢やおう吐、不整脈が見られたときは場合によっては死亡します。
チョコレート中毒になる量
内容量 60g
- 小型犬 50g程度
- 中型犬 400g程度
普通に考えれば、目を離したすきに板チョコ全部を食べてしまう状況でなければ、中毒にならない量ですね。
しかし、チョコレートによってカカオが多いものや少量でも中毒になってしまう体質の場合もあるので注意が必要です。
キシリトール
ガムでお馴染みのキシリトールです。
キシリトールの特徴は、食べたときに口の中で酸を作らない。
砂糖と同じくらい甘さがあるのに、カロリーは25%カット!
そして、血糖値をあげない。
このような特徴からガムに使われたり、歯磨き粉に使ったりと便利な甘味料です。
残念ながら犬には有害な成分
犬がキシリトールを摂取すると急速に吸収されるため、インスリンがたくさん出てしまう。
というのがダメな部分です。
インスリンの血糖値を下げる効果によって、低血糖になっていまいます。
元気がなくなったり、おう吐、歩行困難や昏睡状態などの症状が見られます。
低血糖症への対処法
糖を食べさせることで血糖値をあげることができます。
そのため、砂糖水やハチミツを舐めさせるなどの応急処置が可能です。
意識を失ってしまっている場合に、砂糖水を飲ませるのは難しいでしょう。
意識がない時の対処方
実は、糖分は舌や歯ぐきなどの粘膜からも吸収できるのです!
知らなかった。
- 犬の唇をめくる
- ガムシロップやハチミツを歯ぐきに塗る
- 血糖値が上がる
とても不思議です。
あくまでも応急処置です。
大量に食べてしまったら病院に連れていきましょう。
ブドウ類
果物で身近な存在であるブドウ類を犬が食べると中毒症状が起こります。
症状としては、食べてから2~5時間後に症状が見られます。
- おう吐
- 下痢
- 食欲不振
- 元気がなくなる
- おしっこの量が減る
- 脱水
ブドウによる中毒のメカニズムはわかっていないため、致死量や中毒になる量はわかっていません。
ですが、危険であることは確かです。
2~4日ほどで急性腎不全を起こす可能性があります。
そのため悪化すると死亡することがあります。
ポイント
- 犬種や性別、年齢も関係ない
- ブドウ類についてはマスカットでも巨峰でもどの色もダメ
- ブドウを乾燥させたレーズンも同様に危険
レーズンパンなど食べさせないように注意が必要です。
アボガド
アボガドは森のバターと言われ、ビタミンやミネラルが豊富で、食物繊維やオレイン酸がたっぷりと含まれて濃厚な美味しさがあります。
ですが、アボガドも犬に食べさせてはいけない食材です。
アボガドに含まれるペルシン(persin)という殺菌作用のある成分が有害な成分です。
ペルシンは人間は無力化する能力がありますが、犬、猫、鳥、牛などほとんどの動物で有害です。
果実と種の部分に含まれています。
中毒症状
- 嘔吐
- 下痢・軟便
- 呼吸困難
- けいれん
心臓にも負担がかかると言われています。
一部のアレルギー療法食などのペットフードにもアボガドが含まれていることがありますが、ペルシンが少ない品種が使われているそうです。
私たち日本人がスーパーで購入するアボガドは「グアテマラ系のハス」という品種で非常に多くのペルシンが含まれています。
決してペットにあげてはいけない。
トマト
トマトにはトマチンという殺虫作用のある成分が含まれています。
これは、害虫から身を守るために備わっている機能です。
トマトが赤くなるとグッと減ってしまうので食べても大丈夫です。
しかし、未成熟な緑のトマトは毒性があります。
吐き気や下痢の症状が起こります。
家庭菜園などしている場合には気をつけましょう。
ちなみに青い果実を何個も食べさせなければ大丈夫です。
少し噛んだくらいは問題ない。
花や葉っぱ、茎の方が危険
実よりさらに多くのトマチンが含まれており、約200倍と言われていて大変危険です。
なんでも口にするタイプのワンコは要注意!
私は家庭菜園の際に落ちてしまった青トマトを、ボール代わり拾って遊ばせていました。
無知って恐ろしい。
やっちゃダメです。
ちょっと気をつけたほうがいい
ちょっとしたポイントを気をつける必要がある食べ物です。
火を通すとか、食べさせ過ぎないとなど。
生の豚肉
私たちも調理の際には豚肉にはしっかりと火を通すように教育されてきました。
生の豚肉には、食中毒の原因菌が付着している可能性があります。
- サルモネラ属菌
- カンピロバクター・ジェジュニ/コリ等
食中毒になると人間と同じようにとても危険で辛い思いをします。
また、条虫や旋毛虫などの寄生虫への感染リスクもあります。
半生でも危険なので、豚肉はしっかりと火を通すことが大切です。
マンゴー
マンゴーは栄養価が高く、ビタミンやベータカロテン、食物繊維が豊富なフルーツです。
犬にとっても有用な果物といえるでしょう。
注意すべき点は、マンゴーはウルシ科の植物なので皮に注意が必要です。
触れると接触性皮膚炎の原因になったりします。
これは人間にも言えることです。
そのため、フィリピンなどでは食べ過ぎないようにといわれています。
アレルギーの原因となる可能性
マンゴーに対してアレルギーがある場合もあります。
食べさせる場合には実の部分だけ少量から始めましょう。
食べた後の口のまわりもキレイに拭いてあげましょう。
アレルギー反応として、下痢やおう吐、目の充血、かゆみなどが起こります。
ナッツ類
犬にはナッツ類は良いことがありません。
食べさせないことが一番です。
ナッツ類は小さいくせに脂質が多く、肥満になりやすく、消化も悪いため下痢やおう吐、便秘などを引き起こします。
また、特にマカダミアナッツが危険で、中毒症状を起こします。
おう吐や震え、脱力感などが見られます。
牛乳
牛乳には乳糖というミルク由来の糖が含まれています。
大人が牛乳をたくさん飲むと下痢したりするのは、これを分解する能力が低いからです。
犬は私たちよりもさらに乳糖を分解する能力が低いため、飲むと下痢してしまいます。
消化が悪いので、あまりあげないほうが良いようです。
また、ヨーグルトは乳糖がある程度、分解されていてかなり下痢しにくくなっています。
ペット用のミルクが存在する
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以前、乳糖について知らなかったので、子猫たちに牛乳をあげていました。
当然下痢をしました。
今思えば乳糖だったのか・・かわいそうなことをしたと己の無知を後悔しています。
生卵
卵は栄養が豊富でバランスも良い食材です。
犬に与えないほうが良いとされるのは、タマゴの白身だけを食べさせるというのは良くない。
アビジン
タマゴの白身にはアビジンという酵素が含まれており、ビタミンの一種であるビオチンと結合しやすいため吸収が阻害されます。
影響として症状があらわれるのは稀ですが、皮膚トラブルや疲労感、脂肪の代謝障害などが見られます。
これを防ぐには、タマゴを茹でたり、焼いたりして熱をくわえれば問題ありません。
また、卵黄にはビオチンが多く含まれるので、全卵なら生でも大丈夫です。
アレルギー
卵を犬に食べさせるときに気をつけたいのがアレルギーです。
卵はアレルゲンとして有名です。
アレルギーを起こしてしまう可能性があるので、初めは少しだけ食べさせて様子を見ましょう。
愛犬のアレルギーをチェックしておくとよいかもしれません。
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まとめ
私たち人間の生活の中には犬にとって良くない食べ物がたくさんあります。
- たまねぎ
- チョコレート
- ブドウ
- アボガド
このように野菜だったり、フルーツであったりと人間と暮らすと食べてしまいそうなものだらけです。
むしろ人間のなんでも食べれてしまう雑食さ加減に驚くべきなのかもしれません。
食材による中毒を防ぐには、飼い主さんがきちんと知っておくしかありません。
口にしてしまわないように事前に遠ざけたり、食べれないように工夫しましょう。
食べたがっていたからあげてしまった。
こんな些細なことで死亡する可能性もあるので、注意しましょう。