ドッグフードとキャットフードは明確に分かれています。
私たちの目から見れば同じようなフードに見えず、たまにはキャットフードで気分転換してあげてもいいかな?
などと思ってしまいますが、これはやってはいけない行為です。
なぜなら、犬と猫では食べるものが全く違うため、フードの構成も全く異なるものだからです。
必要な栄養が違う?
犬と猫では生き物として必要な栄養素が大きく異なっています。
そのため、キャットフードを与えるべきではない理由が存在します。
犬と猫と食べ物
犬も猫も祖先は同じで森に暮らしていましたが、それぞれ生き方に違いがあったため両者ともに別の進化を遂げました。
- 森林で進化していった猫
- 草原へと出ていって進化した犬
犬は雑食
進んでいった行き方の違いから、草原へと出ていった犬は雑食の動物になっていきました。
そのため、肉以外の食物、果物や穀物、野菜などを消化・吸収する能力を持っています。
猫は肉食
それに対して猫は、狩猟を主として進んでいったので完全な肉食動物のため、肉や魚のような動物性たんぱくしか必要としていません。
このような違いから当然、犬と猫のフードは成分に違いがあります。
必要な栄養素に大きく違いがあるからです。
キャットフードを犬に与え続けると
犬がキャットフードを食べ続けると、栄養過多とカロリーオーバーで簡単に肥満になってしまいます。
キャットフードはドッグフードと比べて、タンパク質や脂肪が大量に配合されています。
ネコの体が必要としている栄養素がたんぱくに偏っていることや猫は体が小さいため、食べる量も犬よりも少ないので、少量でも栄養やカロリーが詰まっています。
犬には犬用に作られたドッグフードを食べさせるべきです。
猫は味覚オンチ問題
実はキャットフードの味付けにも、犬が食べてはいけない問題が存在します。
それは、舌の問題が原因となっています。
舌は味を感じる器官
動物の舌には味を感じるための器官が備わっており、味蕾と呼ばれています。
人間は味蕾がたくさんあり、約1万個備わっており、
- 甘味
- 塩味
- 酸味
- 苦味
- うまみ
5つの味を感じ取ることができます。
子供のころには1万個の味蕾を持っていますが、大人になるほど減っていき、成人の味蕾は7500~5000個くらいになってしまいます。
苦手だったものが、大人になると食べられるようになるのは、少し鈍感になるからなのかもしれません。
犬の舌
犬も5つの味を感じ取ることができます。
- 甘味
- 塩味
- 酸味
- 苦味
- うまみ
しかし、犬の味蕾の数は約1700個で人間の1/5程度しかないと言われています。
そのため、味については人間よりもしっかりと感じとることはできないようです。
また、塩味に関してはかなり鈍感という特徴があります。
しかし、犬や猫などは人間とは違い、「水の味」を感じ取る機能を持ち合わせていて、水に含まれるイオンを感じることができるらしく、ミネラルの違いが分かるようです。
これにより必要なミネラルの多い水を選ぶことができる能力があります。
猫の舌
猫の舌にある味蕾は予想以上に少なく、500~1000個程度しかありません。
犬よりもさらに鈍感な味覚の持ち主です。
しかも、猫が感じる味は3種類だけ
- 塩味
- 酸味
- 苦味
完全に肉食動物である猫の場合、果物を食べることもありません。
そのため、甘みを感じる必要がないため、退化してしまったようです。
甘さはわからないようです。
猫の場合、特に敏感なのは酸味、次に苦味です。
肉が傷んでくると酸っぱくなり、毒物の多くは苦味があります。
これは猫が「肉の腐敗具合を感じ取るため」に必要だったので、この二つの味覚が特にするどくなっているようです。
キャットフードの味付け
味オンチの猫ちゃんに美味しく食べてもらうには、その舌に合わせた味付けが必要になります。
そのため、肉汁や魚のエキスなどを多く含み、味付けは塩分は少ないながら濃い味になっています。
かなり濃い目の味付けであるキャットフードを犬が食べれば、ドッグフードに戻ったときに薄味で低たんぱくなので美味しく感じなくなります。
その結果、ドッグフードを食べなくなってしまいます。
キャットフード旨かったなぁ・・・と思いだすでしょう。
まとめ
キャットフードは肉食動物である猫用に作られた、高たんぱくで高脂肪の栄養素がギュッと詰まった食べ物です。
高たんぱく、高脂質の食べ物を長期間与え続けると、内臓への負担は大きく機能障害を起こす原因になります。
また、キャットフードは原材料に肉が多く、魅力的な匂いがするため犬にとっては美味しく感じるものです。
味付けも濃い目で犬にとっては、ドッグフードに戻されたときに物足りなさを感じるようになってしまいます。
キャットフードは嗜好性が強くて、犬には体に良くありません。
少し食べても問題はありませんが、日常的に給餌として与えたりしないようにしましょう。