人間は老化すると誰しも目が悪くなっていき、現在のところ薬を使って治すこともできません。
犬も月日と共に目が悪くなっていきますが、老化や紫外線が原因です。
老化による目の衰えを止めることはできませんが、劣化を遅らせたり、現状を極力維持することは可能です。
涙やけ
涙は涙腺で作られて結膜を通して分泌されます。
目の表面の汚れを洗い流して、排水口である涙点から鼻へと流れ行く仕組みです。
涙小管が詰まってしまうと涙があふれて、目の周りが濡れてしまいます。
涙は透明ですが酸化したり、細菌が繁殖することで茶色く変色して「涙やけ」ができてしまいます。
涙やけの原因はいくつかあって大きく分けると3つ考えられます。
成長過程
まだ犬が成長過程のため涙点や鼻涙管が発達していない。
まぶたや目の周りの筋肉がまだ発達していない。
成長すると治っていく。
先天的なもの
犬種による身体的特徴や体質による場合、涙の排泄が構造上難しいこともあります。
鼻涙管が細いので詰まりやすかったり、涙の粘度が高いなど。
目が大きい犬や口が短いタイプの犬は涙やけしやすい傾向にあります。
涙腺洗浄などをしてもらう必要がある。
一時的なトラブル
ゴミなどの異物が入って涙が止まらないことによる涙やけ。
花粉やホコリ、食物などによるアレルギーが原因で炎症を起こしていると、周辺の組織は腫れているので流れが悪くなる。
おやつやフードなど食べ物によって老廃物で詰まってしまう場合もあります。
酸化したフードや添加物など食べ物が体に及ぼす影響はとても大きい。
目のにごりや衰えの原因
目の衰えの最も大きな原因は老化ですが、加速させる要因があると考えられるのが紫外線やストレスです。
紫外線やストレスによって体内では活性酸素が生まれ、細胞にダメージを与えます。
活性酸素はガンの原因となったり、血管を傷つけたりと体をサビさせる強い効果があります。
食べて得られる抗酸化物質
活性酸素に対抗するには抗酸化作用があるものを摂取することです。
例えばビタミンC・Eなどは代表的ですが、色の強い果物や野菜などに含まれるポリフェノールなどはこれらよりもさらに強力な抗酸化作用があります。
摂取することで血管を良好な状態に保ち、目が見えやすくなったり、老化による目の酸化を抑えてくれます。
年のわりに若々しい犬は活性酸素を抑えるような要因があるんじゃないでしょうか?
またポリフェノールなど物質はたくさんの種類が存在し、抗酸化作用だけでなくアレルギーや炎症を抑えるといった効果も期待できます。
野菜や果物のパワーは思っているよりもすごいようです。
アントシアニン
アントシアニンはポリフェノールの一種で青紫色の天然色素です。
ブドウの皮やブルーベリー、黒豆の濃い色、カシスやナスなどはアントシアニンの色といえます。
ポリフェノールは強い抗酸化力を持つため、目の中で発生してしまった活性酸素のよるダメージを防いでくれるので、目や体など細胞の老化防止に効果的な栄養素です。
しかし、それ以外にも目に良い効果を持っています。
ロドプシンの再合成を促す
ロドプシンは眼球内の網膜に広く分布している紫色の色素です。
ロドプシンの役割
ロドプシンは光を受けると分解されることによって電気信号が発生するので、それによって光が見えたと脳へ伝わっていきます。
ロドプシンは体内で再び合成されて、目で使われる。
老化すると再合成が弱くなる
合成と再合成を繰り返すのがロドプシンですが、老化すると再合成する力が衰えてきます。
そのためロドプシンの分解だけが進み、再合成が遅れるので光の感知が悪くなる。
その結果、暗がりで目が見えにくくなる。
体感として目のピントが合わせずらかったり、薄暗いと見えにくいと感じるため、けつまずいたりします。
コラーゲンの合成を促進
皮膚の弾力などで知られるコラーゲンですが、実は目の角膜や水晶体などにも多く含まれています。
アントシアニンはコラーゲンの合成を促進する作用が期待できます。
血流の促進
目の網膜にある毛細血管を拡張させたり、血流を良くすることで毛様体筋の緊張をほぐして目の健康を維持することができます。
ルテイン
野菜や花などの天然の赤や黄色の色素を総称してカロチノイドと呼び、ルテインは黄色やオレンジ、赤色の脂溶性色素です。
ケールやほうれん草、マリーゴールドの花などに多く含まれています。
ルテインは皮膚や内蔵といった体内のいろいろな場所にあり、目には特に多く存在しています。
ルテインの特徴
ルテインは活性酸素の発生を抑えたり、取り除いたりする効果があります。
体内では合成できず加齢や紫外線の影響で徐々に減少していってしまうので、食べ物から摂取する必要があります。
年齢を重ねると様々な眼病が見られるようになりますが、下記のような眼病が増えるのは、体内のルテインの量が減少したことが関係していると言われています。
- 白内障
- 緑内障
- 角膜炎
ルテインの役割
ブルーライトや紫外線といった波長の短い光を吸収する特性があり、目を有害な光線から守るサングラスのような役割をしています。
眼球内の網膜にある黄斑部は「カメラでいうフィルムの部分」にあたるので、細胞が老化して老廃物や活性酸素を除去できなくなってくると、劣化が起こって歪んで見えたり、ボケたりして見えるようになります。
アスタキサンチン
トマトやニンジンといった緑黄色野菜は綺麗な赤色やオレンジ色をしていますが、こういった天然色素をカロテノイドと呼びます。
カニやエビ、鮭などが持つ赤色がアスタキサンチンでカロテノイドの一種になります。
アスタキサンチンの特徴
アスタキサンチンの特徴は非常に強い抗酸化力です。
鮭の卵であるイクラが赤い色をしているのは、川の浅いところに産卵するので紫外線から守るためと言われています。
他の奴より強い!
ニンジンなどのベータカロチンの約5倍
トマトのリコピンの約1.6倍
抗炎症作用
炎症を抑える作用も持っています。
役割
アスタキサンチンは細胞膜を通り抜けることができるので、栄養として目の奥まで入り込むことが可能です。
そのため炎症を抑える効果で結膜炎やぶどう膜炎などの緩和が期待できます。
アスタキサンチンの強い抗酸化作用は紫外線によるダメージを緩和することで、白内障や緑内障などのの予防策として期待できます。
サプリメントを活用しよう
- アントシアニン:ブルーベリーや紫イモ
- ルテイン:ケールやほうれん草
- アスタキサンチン:エビや鮭
どう考えもこれらの食材はペットが日常的に摂取できるようなものではありません。
サプリメントによって補給することが最適じゃないでしょうか?
参考
アスタキサンチンは魚介類から取り出すのは難しい。
そのため、ヘマトコッカス藻という藻を培養して抽出している。
低価格で作りだせるし、甲殻類アレルギーなんかは問題ないのである。
毎日愛眼
5種類の有効成分で目に良いサプリメントを作っています。
- アントシアニン:ビルベリー&紫イモ
- マリーゴールド:ルテイン
- アスタキサンチン:ヘマトコッカス藻
プロポリスとメグスリノキなど目に良いとされる成分を複数含有しているので、目の病気の予防としても摂取するのがいいんじゃないでしょうか。
目ヤニや涙やけに対して期待できます。
ビルベリー
ビルベリーはブルーベリーの一種ですが、北欧原産なのが大きな違いです。
北欧には日が沈まない白夜が真夏に訪れるため、文字通り一日中日光を浴びることになります。
紫外線から身を守ろうとするため、一般的なブルーベリーの約5倍のアントシアニンを含んでいると言われています。
ムラサキイモ(紫芋)
中まで紫色のさつまいも。
思った以上にアントシアニンが豊富でブルーベリーの4倍も含まれています。
2粒あたりの成分量
ブルーベリーエキス末 | 5mg |
マリーゴールド色素 | 1mg |
プロポリスエキス末 | 4mg |
ヘマトコッカス藻色素 | 1mg |
メグスリノキエキス末 | 0.5mg |
紫イモ末 | 50mg |
1袋60粒入りですが、超小型犬で1日2粒なのでコストパフォーマンス良いとは言えませんが、1度に様々な成分が摂取できるのは魅力です。
フジタ製薬 アイショットクリア
他にもルテインやリコピン、βカロチンも含まれているけど、成分量はおまけ程度です。
小型ソフトカプセルなので食べさせやすいですね。
1粒あたりの成分量
ヘマトコッカス藻抽出物 (アスタキサンチン) | 0.4mg |
ブルーベリー抽出物 | 12mg |
ビタミンE | 0.2mg |
ルテイン | 0.2mg |
リコピン | 0.2mg |
βカロテン | 0.1mg |
αカロテン | 0.05mg |
120粒入りで体重5kgあたり1粒なので、コストパフォーマンスも悪くはない。
継続すると考えるとこれくらいだと助かりますね。
アスタキサンチン&ルテイン【ペッツワン】
名前の通りアスタキサンチンとルテインに特化したサプリメント。
1粒あたり
ヘマトコッカス藻色素 | 3.79mg |
マリーゴールド抽出物 | 0.76mg |
トマト色素 | 0.5mg |
βカロテン | 288㎍ |
ビタミンE | 8.1mg |
含有量は全体的に少なく見えるが、小型の錠剤で1日あたり体重10Kg以下で3粒なので抗酸化成分はちゃんと取れるようだ!
180粒も入っている割に価格が安くて優秀なので続けやすい。
DHC ぱっちり
ベリー類や黒豆といった青紫色の濃い植物を原料として、ポリフェノールの強力な抗酸化力に健康効果を期待するサプリメントです。
1粒あたりの成分(250mg)
ブルーベリーエキス末 (アントシアニン36%) | 5mg |
カシスエキス末 (アントシアニン35%) | 3mg |
菊花エキス末 | 2mg |
ルテイン | 1mg |
アスタキサンチン | 22.5㎍ |
菊花エキスには数十種類のフラボノイド類が含有されていて、抗酸化力が強く目の症状を改善するといわれている成分。
投与量
体重 | 投与量 |
5kg未満 | 1粒 |
5~10kg未満 | 2粒 |
10~20kg未満 | 3粒 |
20kg以上 | 4粒 |
内容量:60粒
含有量も多いし、何より価格が安いので継続していくことを考えると、かなり優秀なサプリメントなんじゃないでしょうか?