次亜塩素酸水は強い酸化力を持った次亜塩素酸を含んだ水です。
最近では殺菌する力やニオイを分解することができるので注目されています。
菌やウイルスに対する効果で注目されていますが、ニオイを分解することができるという部分にも注目して欲しい部分です。
ペットを飼っていると気になるのは菌よりも犬の臭いや糞尿のニオイじゃないかなって思います。
次亜塩素酸水ってどんなもの?
次亜塩素酸水は強い酸化力を持った物質で、タンパク質など有機物に接触すると反応が起こり酸化や塩化反応が起こります。
さらに、反応後は水になってしまうので残留するようなものがありません。
殺菌力がある
様々なウイルスや細菌に対して直接接触することで、タンパク質などと反応が起こって酸化させて破壊することができます。
そのため細菌やカビなどの真菌類、ウイルスなどいろんな種類のものを不活性化することが出来ます。
消臭できる
有機物と反応する作用がありますが、私たちが不快に感じるニオイのほとんどが有機物なので次亜塩素酸水が作用することでニオイを分解して消臭することができます。
消臭剤の様にニオイを包み込んでしまうのではなく、直接分解できるので高い消臭効果があります。
また、ニオイを発生させている菌自体にも効くので発生原因からニオイを抑えることが出来ます。
こんなニオイに・・・
悪臭の物質 | 臭い |
イソ吉草酸 | 加齢臭や足のニオイ |
硫化水素 | 腐った卵臭 |
アンモニア | おしっこ臭 |
メチルカプタン | 生ごみ臭 |
トリメチルアミン | 魚腐臭、ウンチ臭 |
アセトアルデヒド | タバコや汗の臭い |
ペットの獣臭やおしっこの臭い、靴や足の臭い、生乾き臭などさまざまな生活の中で発生しやすい悪臭を分解して消臭することが出来ます。
知っておきたい注意事項
除菌消臭に便利な次亜塩素酸水ですが、不安定な物質で反応しやすく、時間と共に分解してしまいやすい性質があります。
その他にも様々な特徴があるので、取り扱い方を知っておく必要があります。
酸性の洗剤と混ぜちゃダメ!
酸性の洗剤と反応して有毒な塩素ガスが発生するので混ぜないようにしましょう。
保管の仕方が大切:冷暗所にしまってね
- 紫外線に当てない
- 熱にも弱い
- 振動にも弱い
不安定な物質なので劣化・分解しやすい。
効果が減ったりなくなったりするからだ!
長期保存できません
大切に保管しても時間と共に劣化します。
必要な分を必要な時に買うように!買いだめは意味がありません。
金属には注意して
強い酸化力があるということは非常にサビさせやすいということ。
アルミや鉄、銅なんかは特に気をつけましょう。
スプレーボトルのバネも劣化させてしまうので、付属しているような専用のものがおすすめ。
大切な服にかけないでね
色落ちする可能性がありますよ
薄めるなら精製水がおすすめ
薄める水は不純物が多いほど次亜塩素酸水が反応してしまうので、精製水が適しています。
水道水を使う場合、短時間で劣化する可能性が考えられます。
井戸水やミネラルウォーターはミネラルが多すぎますね。
注意ポイント
特に重要なのが次亜塩素酸ナトリウムとは異なるということです。
これはハイターなどの漂白剤に使われていますが、化学においては名前が似ている物質なんかたくさんあります。
しかし、ほとんどの場合全く異なる性質を持っていたりします。
殺菌力などで比較されますがそもそも比較するようなものでもありません。
ペーハーは関係ないけど・・・
pHは酸性かアルカリ性かを数値で示したものですが、次亜塩素酸水は次亜塩素酸を含んでいるかどうかなので製造の過程でのphは酸性が強くても弱くても次亜塩素酸水と呼べます。
次亜塩素酸水 | pH | 有効塩素濃度 (ppm) |
強酸性 | 2.7以下 | 20~60 |
弱酸性 | 2.7~5.0 | 10~60 |
微酸性 | 5.0~6.5 | 10~80 |
pHによってこのように呼ばれますが、家庭用で安全に使えるものは微酸性か中和水あたりになります。
しかし、その性質はかなり異なっている。
購入の際にはよく見る必要がある。
強酸性 次亜塩素酸水
pH2.7以下の強い酸性なので、金属に触れると腐食させてしまうし、塩素ガスもでるので一般人が扱うようなものじゃない。
殺菌力も低い。
弱酸性 次亜塩素酸水
pH2.7~pH5.0なので弱酸性って言ってるけど幅が広い。
弱酸性よりの5.0くらいになっていればよいけど、人への影響があるかもしれません。
微酸性 次亜塩素酸水
かなり中性に近いほんの少しだけ酸性という
pH5.0~pH6.5
なので次亜塩素酸水として最もイメージするタイプで誤飲してしまってもまあ安心のレベル。
次亜塩素酸水の使い方
反応しやすい次亜塩素酸水は汚れがあるとそちらに反応して邪魔になってしまう。
そのため除菌したい場所はあらかじめ洗剤などで汚れを落とす必要があります。
次亜塩素酸水が汚れと反応して消えてしまっては除菌も消臭できないからです。
キレイにしたあと霧吹きなどで直接吹きかけて、そのあと布なので拭きあげて使えば除菌できてニオイも取れます。
たっぷりと吹きかけることが大切。
また、10秒くらいは時間をおいて拭くようにしよう。
空間噴霧
加湿器に入れて空間噴霧することでニオイを消すことができて便利です。
使えるのは超音波タイプでないと効果はありません。
空気がキレイになるというものではない。
超音波タイプは次亜塩素酸水に熱を加えることなくミスト状にできるので、壁や床に付着している有機物と反応することができます。
これによってニオイなんかに有効ですね。
微酸性次亜塩素酸(約50ppm)程度の濃度で散布しましょう。
購入するときに気にするべきこと
最も大切な部分は名前が似ているので次亜塩素酸ナトリウムと間違って買わないようにしよう!
また、時間と共に劣化する性質は変えられないので必要な分だけ買おう!
濃度が高いほど薄めて使えるのでお得ではあるが、成分が安定せず分離する確率が高いので覚えておこう!
また水で薄めることで保存期間はグッと短くなる。
食品添加物だから安心?
次亜塩素酸水は殺菌したり消臭したりすることができるので、工場で野菜を洗ったりするのにも使われています。
食品衛生法で食品添加物となっていますが、
次亜塩素酸水は、最終食品の完成前に除去しなければならない。
とされています。
そのため「口に入っても安全」とか記載されていたりしますが、皮膚に触れても問題ないですが、飲めませんし、野菜でも次亜塩素酸水を使ったあと流水で洗い落とします。
食品添加物だから大丈夫みたい記載は正しくないのでちゃんと理解しよう。
食品衛生法でいう次亜塩素酸水
インターネットで次亜塩素酸水を探すと次亜塩素酸水じゃない商品が出回っている!などと書かれていますが、どうやら
「食品衛生法で次亜塩素酸水に当てはまらないものは偽物だ!」
と言いたいようです。
食品衛生法での次亜塩素酸水
塩酸または塩化ナトリウム水溶液を電気分解して生成する。
となっているので、薬品同士を混ぜ合わせて中和させて作ったものは違うといいたいようですが、食品に使えないだけで同じです。
次亜塩素酸水の種類
次亜塩素酸水を探してみると意外といろいろな種類があることがわかります。
製造方法の違いから性質が若干異なる場合、名前も変わってくるためです。
効果や安全性にそれほど違いはないが、保存性の良さなどは異なってくる。
電解水:電気分解して作ったもの
希塩酸や食塩水(塩化ナトリウム水溶液)を電気分解することによって電解水と呼ばれるものを作ることができます。
これによって次亜塩素酸水を作り出すことができます。
電気分解して作られた次亜塩素酸水は塩分などが一切残っていないので、腐食の心配が少ないのが特徴です。
電気分解すると簡単に作れてコストが安く済みますが、物質として不安定なので劣化しやすく、長期間の保存はできないのが特徴です。
購入の際には必要な分だけにしましょう。
ジアニスト
濃度 | 500ppm |
pH | 5.8~6.5 |
正式名称:超微細気泡含有 微酸性 次亜塩素酸 水溶液
食塩水を電気分解して作られた次亜塩素酸水に二酸化炭素で微酸性に調整したもの。
電気分解タイプなので長期保存は苦手なので3カ月程度で使い切りたい。
混和型:化学薬品を混ぜて作ったもの
- 次亜塩素ナトリウム(アルカリ性)
- 希塩酸(酸性)
- 水
次亜塩素ナトリウムと希塩酸を合わせることで中和させて、反応させることで次亜塩素酸を生み出します。
混ぜ具合を調整することでphを弱酸性にします。
非電解型次亜塩素酸水なんて呼ばれるタイプ
原料=成分 じゃないよ
原材料の表記に次亜塩素酸ナトリウムと書いてあるとコレは偽物だって口コミなどで書かれていたりあするけどそうじゃないよ。
実際には混ぜたときに反応が起こって次亜塩素酸水になるので、製品は次亜塩素酸ナトリウムはないので気にしなくて大丈夫。
私たちがオンラインで購入するタイプは多くが混合希釈です。
表記が紛らわしかったり、間違えている販売店もあるのでしっかりとしたお店から買おう!
ジアウォータープラス
内容量 | 20L |
低濃度タイプ 高濃度タイプ | 200ppm 500ppm |
pH | 5.0~6.0 |
ちゃんとした次亜塩素酸水です。
原材料で次亜塩素ナトリウムの記載があるので勘違いする人もいるが、混合した後の反応で次亜塩素酸水になるので原材料=製品ではない。
微酸性次亜塩素酸水
高濃度タイプ
ZIA 非電解次亜塩素酸水 500ppm
内容量 | 20L |
濃度 | 500ppm |
pH | 5.5~6.5 |
微酸性次亜塩素酸水
次亜塩素酸ナトリウムを希塩酸で混合中和させて作ったタイプ
【推奨使用期間】製造日より約1年程
ジアーノ
濃度 | 200~250ppm |
pH | 5.5~6.5 |
次亜塩素酸ナトリウム、希塩酸の混合希釈:微酸性次亜塩素酸水
バリアブロックプロ
濃度 | 200ppm |
pH | 5.7~6.5 |
次亜塩素酸ナトリウム・塩酸・水の混合希釈タイプ
長期保存が可能です。
希釈4か月、原液1年
サライウォーター
濃度 | 200~250ppm |
pH | 5.5~6.5 |
微酸性次亜塩素酸水溶液
そんなにたくさん要らない人には便利な原液2リットル
ペットのニオイなどには10倍に薄めて超音波加湿器で使用可能できるよ。
イオン交換
ざっくりと簡単にすると欲しい成分だけを通過させるろ過装置のようなものに通す技術です。
純粋と次亜塩素酸ナトリウムから弱酸性次亜塩素酸水を作り出せます。
塩酸などの中和剤が必要ない技術。
安定性がわりと保存が効くが、製造コストは高めになってしまう。
粉末型:水に混ぜて作る便利なやつ
粉末になっているジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを水に溶かすことで次亜塩素酸水を作ることができます。
作ったものはそんなに日持ちしないので早く使う必要があるが、粉末の状態なら長期に保存ができるので必要な分だけ混ぜて作ると良い。
コストパフォーマンスに優れており、弱酸性次亜塩素酸水が手軽に作れるのが魅力
どれも中身は同じ。
夏場に家庭用プールにも使える。